5-(5)9月9日は『五節句』のひとつ「重陽(ちょうよう)の節句」です!長寿を願って、菊づくしでお祝いします。

重陽の節句」は別名「菊の節句」とも言われます。長寿や健康を願い、お祝いをします。

五節句の中でも、少しマイナーなイメージがあるかもしれない「重陽(ちょうよう)の節句」。実は、とても風流で素敵な年中行事で、江戸時代頃までは五節句の中で最も人気があったと言われています。

今回は、金魚亭で行った再現イベントの時の写真たちを交えながら、「重陽の節句」の魅力をご紹介致しますね。

目次:
 1. 「重陽」の意味は?重陽の節句はいつ?旧暦の「重陽の節句」は?どちらで祝った方がよい?
 2.重陽の節句には、どんなことをする?  
・菊の花を飾る 
・被せ綿(きせわた)をする 
・菊酒を頂く  
・菊枕で眠る
・須臾嚢(しゅゆのう)を飾る 
・重陽の節句に頂くお料理とは?
・小高い丘や山に登る、その理由は?
 3.「菊慈童(きくじどう)」の伝説と、長寿を得られるという「ある言葉」とは? 
 4.重陽に行う、ちょっと大人の雛祭り。「後(のち)の雛」とは?
  5.まとめ 重陽の節句を楽しもう♪

1.重陽の節句はいつ?「重陽」の意味とは?

重陽の節句は、室町時代に制定された『五節句』のひとつです。

五節句とは?おさらいです♪〉

1/1月7日:人日(じんじつ)の節句(七草粥)

2/3月3日:上巳(じょうし)の節句(桃の節句

     3/5月5日:端午の節句(菖蒲の節句、子供の日)

4/7月7日:七夕の節句

5/9月9日:重陽の節句(菊の節句)

重陽の節句は、毎年9月9日に行われます。 旧暦では、2020年は10月25日の日曜日です。→旧暦とは? 今から年ほど前、春秋時代の中国(秦=しん)から入ってきた「陰陽五行説」では、世界の全てのものを「」と「」に分けます。 数字にも陰陽があり、というのは陽(割り切れない数字)の中でも最大のもので、最も格が高いと言われています。その九が二回「重」なることから「重陽」の9月9日は、最もおめでたい日と言われているのです。 実際に菊の花が盛りになる旧暦の方が、お祝いするのにふさわしいと思われます。 金魚亭では、新暦である9月9日からお祝いし始めて、旧暦の10月25日までたっぷりお飾りし続けるのがおすすめだよ♪

2.重陽の節句には、どんなことをするの?

2-(1)菊の花を飾る。

屋内で行う場合は、菊の花を活けます。屋外では、菊まつりや品評会が行われる所もあります。 普通の花瓶でもいいですが、今回はお花の先生が本格的に活けて下さいました。嵯峨御流(さがごりゅう)では陰陽五行に則り、上から順に 『白・紫・黄・紅・青(はくしおうこうせき)』の順序で活けていくのだそうです(ここでは一番下の水が、「青」となっています)。
お花の解説をしてくださる武藤道甫先生

2-(2)「被(き)せ綿」をする。

まず菊の花に、真綿(まわた)を被(かぶ)せます。 ひとつひとつの花に、こんもり、ふんわりと。
被せ綿の綿で顔を拭う。
そうすると、翌朝には菊の露で綿が湿っています。 その真綿で顔や身体を拭うと、 無病息災長寿が得られると言われているそうです。
錦鯉爺さん
アンチエイジングにも、効果があるはずじゃ!?

2-(3)菊酒を頂く。

菊酒は、日本酒に菊の花びらを浮かべて頂きます。 食用の菊を使うのが良いでしょう。新潟には「かきのもと」という食用菊があり、安心してお使い頂けるのでおすすめです。色も、紫色と黄色があります。 または果実酒を作る要領で、氷砂糖と一緒に焼酎に漬け込んで作る場合もあります。 金魚亭でも、来年は挑戦してみたいと思います😊

2-(4)菊の節句に頂きたいお料理。

江戸時代の文書には、「重陽の節句」には栗ご飯を頂くとあります。

私の地元新潟では元々菊の花を食べる習慣があり、「かきのもと」という食用菊もおひたしに致しました。

また秋の収穫シーズンであり、中秋の名月が近いことからお月さまに見たてた里芋や、など季節の果物も頂いたようです。 金魚亭のイベントでは、地元の女性たちにもご協力頂き以下のような献立を作って頂きました😊
◯栗ご飯

◯食用菊(新潟産の食用菊「かきのもと」)のおひたし

◯秋野菜(里芋「絹乙女」、しいたけ、人参など)の煮物

◯秋の果物(葡萄、佐渡産「おけさ柿」)

◯お吸い物(うずらの卵を、お月さまに見たてて)
また里芋は新潟県五泉産の白くきめ細かな肌が特徴の高級品種「絹乙女(きぬおとめ)」、 柿は佐渡の「おけさ柿」に致しました。 お膳は、を持っていましたので今回は女性陣には朱色のお膳、男性陣には黒色のお膳をご用意致しました。→(※お正月など、おめでたい時に使う「朱塗り」のお碗と、「黒塗り」のお碗。どう使い分けるかご存知ですか?)

2-(5)菊枕で眠る。

菊の花びらを枕に詰めて眠る風習もあります。 私も実際にやってみましたが、高貴で清浄な香りに程よく身が引き締まるような気分となり、ひんやりと気持ちが良く、何より肩や首周り、そして頭の後ろ側から邪気が吸い取られていくよう感じがして、本当に良かったです!! 大量の菊の花びらが手に入った時しかできない贅沢ですが、またやってみたい、できれば毎日、とやみつきになるほどの良さでした。

2-(6)「茱臾袋(しゅゆのう)」を飾る。

中国で呉茱臾(ごしゅゆ、ミカン科でグミに似た実を付ける)の実を緋色の袋に入れ、菊を飾り、邪気を払うために貴人の壁にかけました平安時代の後宮では5月5日の端午の節句の薬玉を、重陽の日に茱臾袋にかけ替えたそうでうです。

2-(7)小高い山や丘などに登る。

中国では、昔から重陽の節句には小高い山や丘などに登り、長寿健康や無病息災を願い菊酒やご馳走を頂く風習があったそうです。

3.「重陽の節句」の元となった、「菊慈童(きくじどう)」の伝説をご紹介。不老不死になる方法とは!?

高い山に住み、700年以上も少年のまま生きて仙人になった少年の伝説とは。

昔、ある王様に優しくてとても優秀な少年がお仕えしていました。しかしある時、少年が王様の枕を誤ってまたいでしまったことから、山に追放されることになってしまいました。
その際に少年は、王から「この二句を大切にしなさい」として、ある言葉を授かります。
それは、法華経の中の二句で

慈眼視衆生 福聚海無量

(じがんししゅじょう ふくじゅかいむりょう)

という言葉です。

暖かい慈悲の眼で常に周りの人々を見ていれば、海のように無限の幸福が押し寄せる

という意味があります。声に出して読んでみると、なんとなくどこかで聴いたことがあるという方もいるのではないでしょうか。本当に、私も好きな言葉です。

少年がその言葉を菊の葉の裏に書き、その露を飲むと、不老不死となりました。また、その露が落ちた川の水までが不老長寿の霊薬となりました。 それから七百年後、山の中に住む不老不死の少年の噂を聞きつけて時の王の使者が会いにやって来ました。使者は、菊慈童から菊の花びらを酒に浮かべて飲む不老長寿の霊法を教えてもらいます。 だから、重陽の節句には山に登って菊酒を飲む習慣ができたのですね。 『菊慈童』は、の演目にもなっています。

4.「後の雛(のちのひな)」とは?ちょっと大人な雛祭りの楽しみ方をご紹介。

雛人形は、桃の節句だけではなく重陽の節句にも飾られていました。確かに菊は天皇家の御紋ですし、お雛様にとても良く似合います。 明治に入ると急速に行われなくなってしまったそうですが、最近は、ちょっと大人のひな祭りとして復活の兆しがあります。 せっかくのお雛様、一年に一回だけではもったいないですよね。風を通すのにもいいですし、是非重陽の節句にもお雛様を飾ってみては如何でしょうか。

まとめ:「重陽の節句」を楽しもう♪

如何だったでしょうか。「重陽の節句」には、素敵な魅力がいっぱいです。 おうちでも気軽に菊の花を買ってきて飾ったり、菊の節句の行事食を取り入れてみたり。各地で行われる菊祭り菊の品評会などにお出かけするのもいいですね。 敬老の日も近いことですし、お爺ちゃんやお婆ちゃんの健康と長寿を願い、お祝いをしてみては如何ですか。 重陽の節句」は別名「菊の節句」とも言われます。長寿や健康を願い、お祝いをします。 五節句の中でも、少しマイナーなイメージがあるかもしれない「重陽(ちょうよう)の節句」。実は、とても風流で素敵な年中行事で、江戸時代頃までは五節句の中で最も人気があったと言われています。 今回は、金魚亭で行った再現イベントの時の写真たちを交えながら、「重陽の節句」の魅力をご紹介致しますね。

1.重陽の節句はいつ?「重陽」の意味とは?

重陽の節句は、室町時代に制定された『五節句』のひとつです。 〈五節句とは?おさらいです♪〉 1/1月7日:人日(じんじつ)の節句(七草粥) 2/3月3日:上巳(じょうし)の節句(桃の節句 3/5月5日:端午の節句(菖蒲の節句、子供の日) 4/7月7日:七夕の節句 5/9月9日:重陽の節句(菊の節句) 重陽の節句は、毎年9月9日に行われます。 旧暦では、2020年は10月25日の日曜日です。→旧暦とは? 今から年ほど前、春秋時代の中国(秦=しん)から入ってきた「陰陽五行説」では、世界の全てのものを「」と「」に分けます。 数字にも陰陽があり、というのは陽(割り切れない数字)の中でも最大のもので、最も格が高いと言われています。その九が二回「重」なることから「重陽」の9月9日は、最もおめでたい日と言われているのです。 実際に菊の花が盛りになる旧暦の方が、お祝いするのにふさわしいと思われます。 金魚亭では、新暦である9月9日からお祝いし始めて、旧暦の10月25日までたっぷりお飾りし続けるのがおすすめだよ♪

2.重陽の節句には、どんなことをするの?

2-(1)菊の花を飾る。

屋内で行う場合は、菊の花を活けます。屋外では、菊まつりや品評会が行われる所

2-(2)「被(き)せ綿」をする。

まず菊の花に、真綿(まわた)を被(かぶ)せます。 ひとつひとつの花に、こんもり、ふんわりと。 そうすると、翌朝には菊の露で綿が湿っています。 その真綿で顔や身体を拭うと、 無病息災長寿が得られると言われているそうです。

2-(3)菊酒を頂く。

菊酒は、日本酒に菊の花びらを浮かべて頂きます。 食用の菊を使うのが良いでしょう。新潟には「かきのもと」という食用菊があり、安心してお使い頂けるのでおすすめです。色も、紫色と黄色があります。 または果実酒を作る要領で、氷砂糖と一緒に焼酎に漬け込んで作る場合もあります。 金魚亭でも、来年は挑戦してみたいと思います

2-(4)菊の節句に頂きたいお料理。

江戸時代の文書には、「重陽の節句」には栗ご飯を頂くとあります。 私の地元新潟では元々菊の花を食べる習慣があり、「かきのもと」という食用菊もおひたしに致しました。 また秋の収穫シーズンであり、中秋の名月が近いことからお月さまに見たてた里芋や、など季節の果物も頂いたようです。 金魚亭のイベントでは、地元の女性たちにもご協力頂き以下のような献立を作って頂きました
◯栗ご飯

◯食用菊(新潟産の食用菊「かきのもと」)のおひたし

◯秋野菜(里芋「絹乙女」、しいたけ、人参など)の煮物

◯秋の果物(葡萄、佐渡産「おけさ柿」)

◯お吸い物(うずらの卵を、お月さまに見たてて


また里芋は新潟県五泉産の白くきめ細かな肌が特徴の高級品種「絹乙女(きぬおとめ)」、 柿は佐渡の「おけさ柿」に致しました。 お膳は、を持っていましたので今回は女性陣には朱色のお膳、男性陣には黒色のお膳をご用意致しました。→(※お正月など、おめでたい時に使う「朱塗り」のお碗と、「黒塗り」のお碗。どう使い分けるかご存知ですか?)

2-(5)菊枕で眠る。

菊の花びらを枕に詰めて眠る風習もあります。 私も実際にやってみましたが、高貴で清浄な香りに程よく身が引き締まるような気分となり、ひんやりと気持ちが良く、何より肩や首周り、そして頭の後ろ側から邪気が吸い取られていくよう感じがして、本当に良かったです!! 大量の菊の花びらが手に入った時しかできない贅沢ですが、またやってみたい、できれば毎日、とやみつきになるほどの良さでした。

2-(6)「茱臾袋(しゅゆのう)」を飾る。

中国で呉茱臾(ごしゅゆ、ミカン科でグミに似た実を付ける)の実を緋色の袋に入れ、菊を飾り、邪気を払うために貴人の壁にかけました平安時代の後宮では5月5日の端午の節句の薬玉を、重陽の日に茱臾袋にかけ替えたそうでうです。

2-(7)小高い山や丘などに登る。

中国では、昔から重陽の節句には小高い山や丘などに登り、長寿健康や無病息災を願い菊酒やご馳走を頂く風習があったそうです。

3.「重陽の節句」の元となった、「菊慈童(きくじどう)」の伝説をご紹介。不老不死になる方法とは!?

高い山に住み、700年以上も少年のまま生きて仙人になった少年の伝説とは。

昔、ある王様に優しくてとても優秀な少年がお仕えしていました。しかしある時、少年が王様の枕を誤ってまたいでしまったことから、山に追放されることになってしまいました。その際に少年は、王から「この二句を大切にしなさい」として、ある言葉を授かります。それは、法華経の中の二句で 「慈眼視衆生 福聚海無量 (じがんししゅじょう ふくじゅかいむりょう) という言葉です。 「暖かい慈悲の眼で常に周りの人々を見ていれば、海のように無限の幸福が押し寄せる という意味があります。声に出して読んでみると、なんとなくどこかで聴いたことがあるという方もいるのではないでしょうか。本当に、私も好きな言葉です。 少年がその言葉を菊の葉の裏に書き、その露を飲むと、不老不死となりました。また、その露が落ちた川の水までが不老長寿の霊薬となりました。 それから七百年後、山の中に住む不老不死の少年の噂を聞きつけて時の王の使者が会いにやって来ました。使者は、菊慈童から菊の花びらを酒に浮かべて飲む不老長寿の霊法を教えてもらいます。 だから、重陽の節句には山に登って菊酒を飲む習慣ができたのですね。 『菊慈童』は、の演目にもなっています。

4.「後の雛(のちのひな)」とは?ちょっと大人な雛祭りの楽しみ方をご紹介。

雛人形は、桃の節句だけではなく重陽の節句にも飾られていました。確かに菊は天皇家の御紋ですし、お雛様にとても良く似合います。 明治に入ると急速に行われなくなってしまったそうですが、最近は、ちょっと大人のひな祭りとして復活の兆しがあります。 せっかくのお雛様、一年に一回だけではもったいないですよね。風を通すのにもいいですし、是非重陽の節句にもお雛様を飾ってみては如何でしょうか。

まとめ:「重陽の節句」を楽しもう♪

如何だったでしょうか。「重陽の節句」には、素敵な魅力がいっぱいです。 おうちでも気軽に菊の花を買ってきて飾ったり、菊の節句の行事食を取り入れてみたり。各地で行われる菊祭り菊の品評会などにお出かけするのもいいですね。 敬老の日も近いことですし、お爺ちゃんやお婆ちゃんの健康と長寿を願い、お祝いをしてみては如何ですか。

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