日本では、しばしば日本的なのものを「日本風」ではなく、『和風(わふう)』と呼びます。その理由とは?
日本は世界地図ではよくユーラシア大陸の東の最端、
「極東(きょくとう)」に描かれることが多いです。 かつて日本は絹や文化を運ぶ道、
シルクロードの終着点でした。
アフリカから、中東から、南アジアや西アジアへ、そして東南アジアや、東アジアから、日本へ。
COLUMN:アフリカから日本へ、さらに東南アジアから、ユーラシア大陸から、そして朝鮮半島から。日本には、様々な人種が住んでいました。 COLUMN:邪馬台国があったのは九州?大和?いいえ、ここです。金魚亭的考察とは? COLUMN:ことわざの、「呉越同舟(ごえつどうしゅう)」。行き着く先は、日本!? COLUNN:天照大神はどこからやってきた?高天原って、どこ?日本神話に書かれた建国物語を読み解こう。
多くの人や文物や知識が広大なユーラシア大陸の西から東へと渡り、
一番最後に日本に行き着きました。 日本列島は、弓(ゆみ)なりになってそれら文物を受け止めるような形をしています。 その先は、広い広い太平洋。 それ以上先に流れることのなかったそれらの文化は、日本列島で
「和(わ)」して発酵するように、
「和風(わふう)文化」となっていきました。
今でも奈良県の
正倉院には、中東や南アジア、東南アジア、東アジアなど、様々な国の宝物が保存されています。 例:朝鮮半島の仏像、アフガニスタンのラピスラズリ、イランの螺鈿(らでん)細工、ミャンマーの琥珀などです。
聖徳太子が「和をもって尊しとなす」と言ってから、日本は宗教をも和する国に。
日本人は、無宗教?生まれながらに神道で人生の節目のおめでたい行事は神社で。亡くなるときは、仏教であの世に旅立ちます。
日本人は、本人たちが意識しているかどうか別として、全員「神道」の信者です。
日本人が生まれると、自動的に近くの神社の「
氏子(うじこ)」になり、お祭りに参加したりします。新しい土地に家を建てる時は、
神主(かんぬし)さんにお祓(はら)いをしてもらいます。結婚式も、神社で挙げる人が多いです。 また赤ちゃんが生まれると、神社に
お宮参りに行きます。三才、五才、七才の「
七五三(しちごさん)」という行事でも、神社にその年まで無事に育ったことのお礼に行きます。
逆に、人が亡くなったときは、お葬式は仏教のお寺であげます。
四十九日(しじゅうくにち)、一周忌(いっしゅうき)、七回忌(ななかいき)など、亡くなった後の儀式である
法要(ほうよう)も、仏教式です。
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日本人は、生きている間は儒教(じゅきょう)の影響も大きいといえるでしょう。
会社の社訓などは儒教に基づいていることが多いです。学校の教育も、先生をうやまう文化などは、儒教の影響が大きいといえるでしょう。「
道徳」という学校の授業は、「
道」や「
徳」を説く儒教の教えに基づいているものといえます。 また、
道教の
仙人のような生き方に憧れる人もいるようです。 「山奥にこもって、霞(かすみ)を食べて生きるような…」 「太公望(たいこうぼう)みたいに一日釣りをして過ごしたい…」
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他にも、大晦日(おおみそか)は除夜(じょや)の鐘を突きにお寺に行き、年があけてお正月には神社に初詣(はつもうで)に行きます。これらを年をまたいで一度に行うことを「二年まいり」といいます。
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神様も仏様も一緒におまつり。神仏習合の日本。
日本では、神社に仏教の神様が祀られていたり、仏教の神様が神道の神様もかねていたりします。
これは先述のとおり神道と仏教が習合したからであり、一方が一方を破壊しつくすということがなく共存しているからでしょうが、
一神教の国々からすると信じられないことなのかもしれません。 実際は
キリスト教の
「ゴッド」、
イスラム教の
「アッラー」、
ユダヤ教の
「ヤハヴェ」は元々
同じ神様(この世界を造りたもうた
創造神)で、これらは皆いわば
兄弟宗教なのですよね。 ちなみにこの
創造神は、
仏教では
「大日如来」、
神道では
「天御中主命(アメノミナカヌシノミコト)」と呼ばれます。 またインドの
ヒンドゥー教では
「ブラフマー」という
創造神がいますが、
彼が目覚めてから眠るまでの時間がこの宇宙の寿命と同じという非常に壮大な神様だそうです。
死後の世界を扱うのが宗教であるならば、現象はひとつです。
その山をどこから登るか、どこまでどのようにして登っているか、の違いだけなのでしょう。 なお日本の
七福神では、
インドと
中国と
日本の神様がみんな仲良く並んでニコニコと笑っています。