2.聖徳太子が「和をもって尊しとなす」日本は宗教をも和する国、七福神は皆並んで世界の神様がニコニコと。
宗教においても、日本は様々な神仏が共存する国です。聖徳太子(しょうとくたいし)の時代になると、それまでの神道と、大陸から新しく入って来た宗教である仏教が対立し、仏教派が勝利しました。また日本には仏教と同じ時期に儒教(じゅきょう)も入って来ていました。
その後、聖徳太子は自ら定めた憲法十七条の中で「和を以って尊しと為す」とし、皆がお互いに合い和することを促しました。
これらの宗教は影響し合い、交わり合い、また歴史の中で時の為政者による幾度かのせめぎ合いを経験しながらも、日本では現在も神道と仏教、そして儒教が共存しています。
日本人は今でも、生まれた時や神社でのお祭り、結婚式は神道でお祝いし、亡くなった時は仏教でお葬式をします。また、教育や会社の規律などにおいては、儒教の影響が大きいようです。→※日本の宗教について
みんな並んでニコニコと。「七福神」は世界の神様の見本市。
日本では、神社に仏教の神様が祀られていたり、仏教の神様が神道の神様もかねていたりします。
これは先述のとおり神道と仏教が習合したからであり、一方が一方を破壊しつくすということがなく共存しているからでしょうが、一神教の国々からすると信じられないことかもしれません。
実際はキリスト教の「ゴッド」、イスラム教の「アッラー」、ユダヤ教の「ヤハヴェ」は元々同じ神様(この世界を造りたもうた創造神)で、これらは皆んないわば、兄弟宗教なのですよね。
ちなみにこの創造神は、仏教では「大日如来(だいにちにょらい)」、神道では「天御中主命(アメノミナカヌシノミコト)」と呼ばれます。
またインドのヒンドゥー教では「ブラフマー」という創造神がいますが、彼が目覚めてから眠るまでの時間がこの宇宙の寿命と同じという非常に壮大な神様だそうです。
死後の世界を扱うのが宗教であるならば、現象はひとつです。その山をどこから登るか、どこまでどのようにして登っているか、の違いだけなのでしょう。
なお日本の七福神では、インドと中国と日本の神様が、みんな仲良く並んでニコニコと笑っています。
●大黒さまは、日本神話の重要人物である「大国主命(おおくにぬしのみこと)」と、インドのヒンドゥー教の「シヴァ神」が習合しました。大きな袋を担ぎ、手には振れば欲しいものが何でも出てくるという打ち出の小槌を持っています。
●恵比寿さまは、唯一の日本出身の神さまです。大きな鯛を抱え、釣り竿を持ってにこにこと笑っています。日本神話でイザナギとイザナミの間に生まれた最初の子供でしたが、手足も顔もなかった為に葦の小舟で川に流されてしまったのが後に祀られるようになったといいます。 ▶ESSAY:最近恵比寿様を見ると、おいたわしやと涙が出そうになる理由…。日本神話に表れる「恵比寿・大黒や弁天様」の秘密とは?
●弁財天は同じくインドのヒンドゥー教の「パールヴァーティー」という女神と日本の「市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)」の習合と言われます。琵琶を持ち、芸能の神様と言われます。
●毘沙門天は、ヒンドゥー教の神クベーラが仏教と習合し、仏教の一種である密教の守護神の一人になりました。
●寿老人は頭の長い道教の仙人です。南極老人と混同されることもあります。
●南極老人は頭に頭巾をかぶり、鹿を連れ、手には巻物の付いた杖や桃を持っている道教の神様です。天下が治まり平和な時に表れる南極星を司ると言います。
●布袋さまは中国が宋の頃に実在した禅宗の僧侶で頭多袋を担いで托鉢に廻り、冬でも薄着でお腹を出す風貌で、一度会うと又会いたくなる純粋で魅力的な人物で弥勒菩薩の化身であると言う人もあったそうです。
ESSAY:七福神の神様の解説!日本出身の恵比寿様を見ると、涙が出そうになるワケとは。
Leave a Reply