布袋様は七福神の一柱です。大きな袋を背負い、着物をはだけて毛むくじゃらの太鼓腹を出して、にこにこ豪快に笑う姿で描かれます。
布袋様は実在の人物で、唐から五代の時代にかけて明という土地に現れたそうです。
本名は「契此(かいし)」といい、家を持たずに各地をまわって乞食の修行を行う僧侶で背中に背負っているのはお布施をもらった時に入れる頭陀袋(ずだぶくろ)です。
生魚などをもらってもそのまま袋に入れたとか(細かいことを気にしない、豪快な人柄ですね)。
不思議なバリアのようなものがあり、真冬でも薄い着物一枚で過ごしていたとか、雪の中に横になって寝ていても布袋の上にだけ雪が積もっていなかったとかも言われます。
また、人の吉凶を言い当てたりする占いが得意だったとも言われます。
一見風変りな風貌ながらもとても素直な人柄で、会った人々を満ち足りた気持ちにさせ、一度会ったらまた何度でも会いたくなるような不思議な魅力を持っていたそうです。
亡くなって埋葬された後に別の遠い州で姿を見かけられたり、同時刻に色々な場所で目撃されたりと色々と不思議なことが起こったとか。
布袋様が死の間際に残した喝文が、「弥勒は真の弥勒にして分身千百億なり時時に時人に示すも時人は自ら識らず」というものだったそうです。
このことから、布袋様は、遠い未来に人類を救いに来る未来仏である弥勒菩薩が、現世にふらりと現れたのだと言う人もいるそうです。
日本には室町時代頃に伝わり、民間でまたたくまに人気が出て江戸時代には七福神の一柱になったそうです。
富貴繁栄・子宝・全体運アップ・縁結び・金運アップ・商売繁盛・無病息災・夫婦円満などがご利益として挙げられます。背負っている頭蛇袋には「人々に分け与える幸せが入っている」と自ら言ったといわれ、「寛容な心」「度量の広さ」をあらわしてもいるそうです。
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